八幡山の家 植栽工事

メンテナンス性と心地よさを両立する空間づくり

少しずつ暖かくなり、季節の移ろいを感じる時期となりました。
「八幡山の家」の植栽工事が完了したのでその様子をご紹介いたします。

私たち建築設計事務所は、建物のデザインだけでなく、外構や植栽を含めた「環境全体のデザイン」、そして「長く無理なく維持できること」が住まいの心地よさを大きく左右すると考えています

落ち葉掃除の手間を軽減する、常緑樹のアプローチ

八幡山の家の外観は、落ち着きのあるグレーを基調としたシャープなデザインです。外壁を引き立てる玄関アプローチの植栽には、オリーブなどをはじめとする「常緑樹」を中心にご提案させていただきました。

一年を通して美しい緑を楽しめるのはもちろんですが、常緑樹を選んだ最大の理由は「落ち葉の掃除をあまりしたくない」という、日々のメンテナンスへの配慮です。 限られたスペースでも立体感が出るよう高木や中木を配置し、足元には乾燥を防ぐバークチップを敷き詰めることで、管理のしやすさとモダンな美しさを両立させています。帰宅したご家族を、みずみずしい緑が優しく迎え入れてくれます。

内に入ると、木目を活かした温かみのあるLDKが広がります。 リビングには大きな開口部を設け、外のバルコニーへとフラットに繋がる設計にしました。バルコニーの床は一見すると木の温もりを感じるウッドデッキのようですが、実際はメンテナンス性に非常に優れた「木目調タイル」を採用しています。天然木のように腐食や退色の心配が少なく、日々のお掃除が格段に楽になるのがメリットです。

このバルコニーには、空間のアクセントとして鉢植えを配置しました。室内からの視線がバルコニーの鉢植えへと抜けることで、ウチとソトの境界が曖昧になり、実際の面積以上の広がりとリラックス感を生み出しています。

■ 日々の家事に潤いを添える「切り取られた景色」

そして、設計のささやかな工夫としてご注目いただきたいのが、キッチンのコンロ奥に設けた窓です。

グレーの美しいタイルが貼られた壁面に開けられたこの窓は、まるで一枚の絵画のように外の緑を切り取ります。お料理や洗い物をしているふとした瞬間に、自然の光や風に揺れる葉の様子を感じることができる仕掛けです。 機能性が求められる水回りだからこそ、こうした「借景」を取り入れることで、日々の家事の時間が少しでも豊かで心安らぐものになればと願っています。

建築において、植物は建物に命を吹き込んでくれる大切なパートナーです。図面上の寸法だけでは測れない光や風の入り方を計算するとともに、「日々の暮らしの中で無理なくお手入れができるか」という視点を持つことが、長く愛着を持てる家づくりの鍵となります。